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DROMI マーケティング方針策定プロジェクト

フェンリル株式会社

Marketing

2023 -

DROMI マーケティング方針策定プロジェクト

長く愛されるサービスを目指し、サービスが持続的に成長するための土台構築プロジェクト

DROMI』は、フェンリルの新しいサービスです。このサービスは、動画制作における絵コンテおよびビデオコンテの制作に特化した iPad 用のアプリです。

 『DROMI』は、フェンリル社員のアイデアを基に、企画、デザイン、開発まで社内のメンバーが試行錯誤しながらプロダクトに落とし込んでいます。使いやすいアプリを開発するだけでなく、アプリをどのように成長させていくのかという”サービスグロース”の観点でマーケターチームが加わり、グロースマーケティング活動に取り組みました。

具体的には、サービスが効率的に成長できるよう、サービス全体を俯瞰できるグロースモデルの策定および KPI の設計を行いました。また、それらの KPI を計測可能な状況にする環境構築を行いました。

相談されたこと
  • マーケティング活動をどのようなステップで進めていくべきか考えたい
  • サービスを育てる上での考え方や、どのような指標を追うか考えたい
プロジェクトの内容
  • サービスの全体像を俯瞰するグロースサイクルを策定
  • グロースサイクルに基づき、サービス成長に必要な KPI を設計
  • KPI の計測方法の検討とアプリ内のデータ計測環境の構築

サービス全体を俯瞰するグロースサイクルを策定し、チームの指針を作る

マーケティング活動の取り組みとして、まずは取り組みの進め方や取り組む内容の整理から始めました。企画段階で作成されたサービス概要資料やマーケティング戦略資料をインプットし、メンバーそれぞれの考えをヒアリングしながら作業フローをまとめていきました。

その次に、サービスへの共通理解を深めるために、目指すべきビジョン、ターゲット、価値などサービスの根幹となる部分を改めて言語化し、併せて目指すゴールまでの要素を分解したロジックツリーの策定をしていきました。

その次に、マーケティング活動の指針となる、サービスが成長するための設計図である「グロースサイクル※1」の策定を行いました。まず最初のステップとして、『DROMI』の価値を捉え、最低限達成したい効果を繋ぎ合わせた最小の循環モデルを作成します。そこにさらに細かい効果を繋ぎ合わせ、サービスが継続的に成長するための循環を検討します。

『DROMI』のグロースサイクルでは、「ユーザー獲得のサイクル」と「ユーザー定着のサイクル」、大きく2つのサイクルに分かれるモデルを策定しました。

 

※1:グロースサイクルは、事業成長のための持続的な価値循環を作るための設計図です。プロダクト内で生じる体験がどんな効果を生み出すのか、またそれらの効果に紐づくKPIを可視化できます。これにより、PJメンバー間で共通認識が形成され、コミュニケーションが取りやすくなります。

このグロースサイクルの策定により、チームで特に課題と感じていた「ユーザー獲得」の方法について、「(DROMIを利用して生まれた作品を)共有してもらう」ことが重要かつ注力すべきポイントであるということが明らかになりました。現在は、「共有してもらう」ための施策や、施策実施後の効果測定を検討、実施しています。

グロースサイクルを基に、サービス成長のための KPI を設計

次に、サービスを運用する時にどんな指標を追うべきかという課題に対し、サービス成長のために追うべき指標、すなわち KPI の設計に取り組みました。

サービス成長における KPI とは、グロースサイクルの循環に着目することで設計できます。グロースサイクルの各項目はサービスにとって達成したい効果にあたるので、この各効果を計測する指標を KPI として設計します。

また、 KPI の設計において「どんなデータ」を取得するか決めることは重要ですが、そのデータを「どんな方法で取得するか」も重要です。『DROMI』の KPI は、アプリ内とアプリ外の2つのデータに分けることができます。アプリ内のデータについては、今回は、 GA4 および Amplitude というツールを活用し取得をしています。一方で、アプリ外のデータについては、注力箇所を中心に計測ツール及び計測ルールを検討しました。最終的にはグロースサイクルと照らし合わせて確認できる「 KPI 設計書」を作成しています。

プロダクトメンバーとの密な連携でデータの計測環境を構築

アプリ内のデータは、今後の機能改善や施策の検討材料として活用することも見据え、データ取得の設計をしています。また、アプリ内のデータを取得するには、開発やデザイナーなどプロダクトメンバーとの連携が必要不可欠です。特にアプリは自動取得できるデータが少なく、あらかじめ取得したいデータを決め、データを取得するための開発実装作業が必要です。そのため、『DROMI』においても、取得したいデータを「イベント設計書」という形で整理し、プロダクトメンバーと密に連携をとりながらデータ取得環境の構築を行いました。

これらの活動を通して、『DROMI』というサービスの全体像を可視化することができ、サービス成長における KPI の設計および計測環境の構築、さらに、どこに注力すべきかが明確化し、サービス成長のための土台づくりができたと感じています。

チームからの声

アプリを作るだけではなく、サービスとしてどのように成長させるのか。指標を共通認識できるように言葉を整理したりマップで表現することで、メンバー全員が納得しながらサービスを成長させていくための土台づくりができました。

普段から共同開発案件に多く携わるマーケターチームと自社プロダクトを開発するメンバーが融合することで、お互いの良い部分を吸収しながら施策を設計できたことがスキルアップに繋がり、有意義なプロジェクトとなりました。

今後はたくさんの方にDROMIを使っていただき、より良いプロダクトとして使っていただけるよう、取り組んでまいります。

今後の展開

このプロジェクトでは、サービス成長における土台をつくり、DROMIというサービスを育てるために、注力する箇所が明確になったと思います。しかしながら、土台づくりはサービス成長を目指す上でのスタート地点にすぎません。今後は、注力箇所の具体的な取り組み内容の検討や、リリース後に蓄積されたデータを見える化し、その結果をもとに PDCA を回していくことが必要です。生まれたばかりのDROMIが、長く愛されるサービスになるよう、今後もマーケティング活動に取り組み続けていきます。

Credit

Marketing
Moeka Hagiwara, Yuta Omori
DROMI Product Team
Kitsune, Emi Yamamoto, Mami Moriyasu
Support
Tsubasa Shibata, Yuta Ogara